静岡県駿東郡長泉町の長泉町立北中学校様よりご依頼をいただき、教職員の皆さまを対象とした研修を実施しました。
2026年8月24日(月)、明日から新学期が始まるという日程でした。
この研修におきましては、校長先生自らご依頼くださり、その際、ウェルビーイングの基礎知識に触れるとともに、教職員間でのつながりが深まるような機会にしたいというご要望をいただきました。
ご相談の上、ウェルビーイングの基礎的な理解と、VIA(性格の強み)を共有するグループワークを盛り込み、先生方がお互いの強みにフォーカスして幸福感が高まり合うような構成をご提案させていただきました。
新学期を目前に控えたお忙しい時期にもかかわらず、研修後のアンケートに多くの先生方がご協力くださいました。ご回答くださった皆さまに、心より御礼申し上げます。
研修の概要
本研修は、AWE共同代表理事の渡邊奈都子が講師を務め、AWE認定講師の内野千珠子さんにもサポートいただきました。
「ウェルビーイングの基礎と実践―幸せを増やす強みの活かし方―」をテーマに、主に次の3つの内容を取り上げました。
I. ウェルビーイングとは何か?
- いまウェルビーイングが注目される理由
- ウェルビーイングの理解
- ウェルビーイング研究でわかったこと
II.ウェルビーイングと強みの関係
- 強みに注目すべき理由
- 学校におけるウェルビーイング
- ウェルビーイング心理教育の意義
III.ウェルビーイングを実践する方法
- VIAから知る強み
- 自己理解と他者理解
- 強みによるチームづくり

アンケート結果
以下、実施後のアンケートからご紹介させていただきます。
(回答者数:26名/男性14名・女性12名。20代から60代まで、幅広い年代の先生方にご参加いただきました)
研修内容への理解度
「ウェルビーイングについて理解できましたか」という問いに対しては、「すごく理解できた」が53.8%、「理解できた」が46.2%と、ご回答くださった全員が肯定的に受けとめてくださいました。
「どちらともいえない」「やや不明」「まったくわからなかった」はいずれも0.0%でした。
特に印象に残った内容
研修の中で特に印象に残った内容としては、「選択的注意とネガティビティバイアス」(57.7%)が最も多く挙げられました。
続いて「学校におけるウェルビーイング(生徒や教師のWB)」と「強みの説明」(ともに53.8%)、「心理学の変化(不幸研究から幸せ研究へ)」(46.2%)、「ウェルビーイングの概要と特徴」(34.6%)などが上位となりました。
ものの見方の科学的な背景と、強みに着目する視点の両方に、多くの先生方が関心を寄せてくださったことがうかがえます。


これから毎日に取り入れてみたいこと
研修を通して、これからの毎日に取り入れてみたいと感じられたことをご紹介します。(一部抜粋)
- 強みを新たな場面で発揮するとさらに幸福度が高まるという話を聞いたので、仕事以外の場面でも応用できるように考えてみたい。(男性/50~54歳)
- 自分の強みを信じて行動するということ、そして、生徒も自分の強みを捉え、それを言葉にしながら、行動することをはたらきかけたいと思いました。(男性/30~34歳)
- 自分の弱みや課題ばかりではなく、強みを感じ取りながら生活していきたい。(女性/25~29歳)
- 再任用の立場になり、人生も終盤に差し掛かっている中で強みを生かした人生を送ってみたい(男性/60~64歳)
- 「幸せ」になる方法は、学ぶことができる。人と比べてしまうことは仕方のないことだと受け入れる。(女性/30~34歳)
- 課題に目が向きがちでしたが、強みをより意識し自信へつなげていくことで生徒の変容が見られると思いました。(男性/25~29歳)
- こどもの良いところを肯定しつたえていきたい。強みを伸ばすために、苦手なことにもチャレンジしていけると思うので。(女性/60~64歳)
- 親切さが高かったので、これからはどんなことでも「やらされる」のではなく自ら「率先して」行動することを意識していきたい。また、誰かのために行動することを考えていきたい。(女性/45~49歳)
- ユーモアの特性を活かして毎日面白いことを言う。リフレーミングをする。相手の良さを積極的に見つける。(男性/40~44歳)
- まずは、人と比較しないようにしたいです。そして、子どもたちと向き合う時に、良いことや感謝することなどを意識的に注目して声掛けをしていきたいと思います。(女性/50~54歳)
研修全体のご感想・メッセージ
- 自分の強みは、やはりそうなんだなあと確信しました。幸福度が上がるために、強みによる成功体験が増えるように、もうよい年ですが生活していきたいです。ありがとうございました。(女性/60~64歳)
- 色々な方々の強みエピソードを聞いた際に、確かなと感じる部分があったので、人の強みはその人の印象にも関わっていることが今回の研修から感じました。(女性/25~29歳)
- 今回の研修を通して自分の強みだけではなく、他人の強み等にも興味をもっていただき、お互いに助け合えるような職場環境を目指したい。また、レジリエンスについてのプログラムもあると伺ったので、興味があります。(男性/50~54歳)
- 意識改革は個人、集団の向上には不可欠かと思う。強みを生かした集団作りができれば、きっと明るい未来があると思われる(男性/60~64歳)
- ワークで実践できたり、アンケートによって実際に自分の強みを発見できて、より具体的にイメージしながら学ぶことができました。ありがとうございました。(女性/25~29歳)
- 教師が機嫌よく過ごすことで、生徒や保護者、地域の方といった周囲の人まで幸せが広がっていくことを知り、自分もそんな存在でいられたらと思いました。自分の生き方についても、生徒との接し方についても、学ぶことが多かったです。ありがとうございました。(女性/30~34歳)
- チームワークが良い職場で、とても恵まれていると改めて感じました。感謝をもって働いていきたいです。(女性/45~49歳)
- ありがとうございました。自分にあまり自信がなく人のために行動できているのか考えてしまうことが多かったです。でも自分の強みを知り、少しだけ自信をもつことができました。思慮深さと親切心を大切にして意識を高めて行動していきたいと思いました。(女性/45~49歳)
- 実は、2017年に個人的にポジティブ心理学や認知心理学、行動心理学に興味をもち、独学をしておりました。そのときのVIA‐ISテストと大幅に結果が変わっており、10年の変遷と成長を感じられました。また、その時に学んだ知見を授業方略に生かして取り入れたり、あいさつなどの開発的生徒指導と組み合わせて実践したりしたことを思い起こしました。マーティン・セリグマンの理論には共感することも多く、今の自分の教師としての在り方の大事な要素の一つを構成しています。本日は、新しい知見と懐かしい感覚の両方を味わうことができました。貴重な機会をありがとうございました。(男性/40~44歳)
- とても分かりやすくて、ステキなお話がたくさんありました。できないこと、苦手なことに目を向けるのではなく、得意なこと、強みに目を向けること、とても大切だと思います。教員だけでなく、保護者にも聞いてほしいと思うような内容でした。ありがとうございました。(女性/45~49歳)

強みに目を向けることから、ウェルビーイングな学校へ
自分の弱みや課題ではなく、強みに目を向ける。周囲の人の良いところを見つけ、言葉にして伝える。
今回のアンケートには、そうした前向きなまなざしを、これからの毎日や生徒との関わりに生かしていきたいという先生方の声が数多く寄せられました。
先生方お一人おひとりが、ご自身の強みを大切にしながら日々を過ごされることが、生徒の皆さんや学校全体のウェルビーイングへと広がっていくものと感じています。
このたび貴重な機会をくださいました長泉町立北中学校の皆さま、そして熱心にご参加くださった教職員の皆さまに、心より御礼申し上げます。
報告者:渡邊奈都子