2023年4月15日(土)に脳科学の研究者で薬学博士の駒野宏人先生をお招きして、スペシャルオンラインワークショップ「ウェルビーイング脳を育てる~健やかな人生に役立つ脳科学~」を開催しました。
今回のワークショップでは、ウェルビーイングに関係する脳のメカニズムを“からだ・こころ・社会的なつながり”という3つの視点に加えて、“スピリチュアル”という面からも科学的な知見を用いながら分かりやすく教えてくださいました。
ここで用いられている“スピリチュアル”とは、霊的なものを指すのではなく、宇宙や自然という生態系システムの中で人が健やかにいられる状態を意味するものです。
講義の中では、「自分より大きな存在と統合された意識(私の考え)」と説明されていました。
ウェルビーイングの研究では、自然界における“スピリチュアル”に関わる体験をAwe体験(Awe experience)と呼んでいます。
これまでの研究では、宇宙の深淵さや自然の崇高さに触れた時に感じる畏敬の念によって、心理・身体・社会的に有益な効果がもたらされることが報告されています。
具体的には、心理的な効果として自我のこだわりを低下させて謙虚さや寛容さをもたらされることが明らかになっています。
身体的な効果としては、炎症物質の分泌量が減少し、寿命を伸ばす効果などが示されています。
社会的なものとしては、時空を超えて未来の社会や人々の役に立とうとする気持ちが生み出されるなど様々な効果が報告されています。
ともすれば難しくなりがちな内容を、身近な例を用いながら分かりやすく解説してくださり、あっという間の2時間でした。
アーカイブも含めて40名を超える方がご参加くださり大好評でした。
参加者の皆様からいただいた多くの感想をいただきましたが、いくつかをご紹介させていただきます。
■駒野先生が、ウェルビーイングに「こころ・からだ・社会的つながり」に「自然・宇宙」を入れられて、より納得感の高くなりました!
■スポンサーシップをしっかり持つために、職場でどうしても苦手な人がいるのですが、慈悲の瞑想をロッカーに貼って仕事に入る前にやってみようと思いました。
■オキシトシンのダークサイドのお話、興味深かったです。群集心理の弊害ってこんな風に生まれるのかなと感じました。
■素晴らしいセミナーで、感動でいっぱいです。これから、人類はこういう知恵を学びながら、自ら進化成長していくんですね!
■自分のつらさが自分の生きがいに通じる経験になりうるというところが印象に残りました。自分の生きがいを見直すきっかけをいただいて感謝です。
■エビデンスに基づいたお話や、なぜ今のこのような状況に至っているのかという根幹に触れることができ、深い部分に触れられて心に響きました。
お忙しい中、オンラインワークショップをお引き受けくださった駒野先生、そして積極的に分かち合いやワークに取り組んでくださった参加者の皆様に感謝いたします。