2017年1月5日、幸せを自分で創造できる人たちを増やすことを願い、一般社団法人ウェルビーイング心理教育アカデミー(AWE)が設立されました。
エビデンスに基づいた、心と体と社会的な健やかさを指す「ウェルビーイング」の高め方をお伝えし、同じ志を持つ人たちのコミュニティを提供しています。
2000年頃までは、幸せを向上させることは難しいのではないかという理由で、研究者は幸せを科学することに懐疑的でした。
しかし近年、幸せはその人の選択する行動によって大きく左右されることがわかってきました。
エビデンスのある行動の中には、感謝をすると幸福度が上がるなど、私たちの日常で当然のように信じられてきたことが科学的に証明されたものもあれば、物質的な豊かさは不幸を予防することがあっても必ずしも人を幸せにしないなど、これまで多くの人たちの間で信じられてきたことの逆が証明されたものもあります。
AWEでは、その日進月歩の幸せを増やすための多くの知見を、毎日の生活応用しやすい形で分かりやすく紹介しています。
これまでは、良い研究があっても英語だったり、研究者以外には読むのが難しい論文の形であったりするものが多く、普段の生活に応用しにくいという側面がありました。
また、興味深いスキルを学んでも、頭のどこかで「それは本当に効果があるのか」「なぜ効果があるのか」がわからず、不全感が残ることもあったように思います。
そんな研究と実践のギャップを埋め、新しい研究を絶えずアップデートして、毎日の生活に応用しやすい形で紹介していくことが出来たらと、AWEを設立しました。
このような私たちの活動はたくさんの幸せの研究者に応援していただいています。
主な研究者の方々には、直接メールでお話ししたり、2017年に開催されたモントリオールの国際ポジティブ心理学会で直接お会いしたりして、AWEの取り組みについて説明し、その中で彼らの研究や著書の内容を紹介させてもらうことについて快諾していただきました。
研究者の方々とお話ししていると、本当に多くの人の幸せを願って研究されていることに胸が打たれます。
全ての研究者の方々が興味深く熱心に聞いてくださり(後ろに長い列が出来ている状況でも!)
「I am glad you are doing this」
「あなたたちがそういうこと(研究結果を日常に応用できる支援)をしてくださって本当に嬉しいわ」
「Please use anything. Research results were for everyone’s good」
「役に立てて嬉しいわ。研究結果はみんなのものよ」
というような温かい言葉をかけていただきました。
とても嬉しく感じたと同時に、たいへん励まされました。
世界中の人たちの幸せを願って日々研鑽を積み重ねている研究者の思いを、幸せになりたいすべての人たちに繋げられことを願っています。
以下、この場を借りて、お名前と主な理論や活動をご紹介させていただきます。
■バーバラ・フレディリクソン氏(Barbara L. Fredrickson) 拡張形成理論
■マーティン・セリグマン氏(Martin Seligman) PERMA理論
■ソニア・リュボミアスキー氏(Sonja Lyubomirsky) 幸せがずっと続く12の行動習慣
■ライアン・ニーミック氏(Ryan Niemiec) VIA(強みの調査票)
■キャロライン・ミラー氏(Caroline Miller) 目標達成
■リア・ウォルター氏(Lea Waters)ポジティブペアレンティング(強みを子育てに応用)
■デイビッド・クーパーライダー氏(David Cooperrider) Appreciative Inquiry
■アンジェラ・ダックワース氏(Angela Lee Duckworth)グリッド、やり抜く力
■ジェイムス&スーザン・パウエルスキー氏(ポジティブ心理学の理論をパートナーシップに応用
■前野 隆司先生 幸せのメカニズム、4つの因子
ポジティブ心理学では、ただ心の病気がないだけでなく、より幸せに行きている人たちのことを「Flourish(フラーリッシュ/満開の花)」と呼びます。
ポジティブ心理学の父マーティンセリグマンは、2051年までに、世界中の51%の人がFlourishになるように取り組んでいこうと目標を掲げています。
日本でも人々の幸せを願う様々な活動があります。
AWEは、多くの方々と協力しながら幸せを広げる一旦を担いたいと思っています。
2017年 12月2日 ニューヨークにて 松村亜里