AWE認定ナビゲーターの新居範子です。
私が所属している「株式会社マークス」において、2018年4月から12月までに入社した38名を対象に人事部主催2年目フォローアップ研修のなかで体験講座「ポジティブ心理学入門」を実施しましたので、報告いたします。
株式会社マークスは設立30周年を迎え、社員同士の仲が良い「思いやりのある会社づくり」をめざして社内人事改革と教育・育成に力を入れています。
弊社は中小IT独立系ソフトウェアの会社です。
主に金融・証券を中心にメインフレームからWebシステム、スマートフォンアプリまで幅広い設計・開発をしています。
従業員数約240名、今後300名体制を目標に若手社員を積極的に採用しています。(2019年4月1日現在)
社員の素直さは強みですが、指示通りに業務はするものの主体性に欠ける点が課題であると人事部に相談がありました。
私は一般社団法人ウェルビーイング心理教育アカデミーの「自分の人生を自分で創造できる人たちを増やすこと」に共感し、主体性や自律性がいかに個人の幸せに貢献しているのかを学んでいたので、社員一人ひとりの幸せを願いつつ、さらには組織づくりにもポジティブ心理学の情報が役立つと思い、社内研修の中に「ポジティブ心理学入門」の導入を決定しました。
ここでは科学的根拠に基づいたデータや思考、行動習慣を紹介しながら、下記3つのポイントを踏まえて伝えさせていただきました。
・ポジティブ心理学とは何か
・しあわせのメカニズム
・しあわせを高める方法
研修が始まり、新しいことや知らない情報に触れるからなのか、参加者の反応が薄く、正直、伝わっているのか不安でした。
また、体験講座の中で人生満足尺度を測ってみると実に3分の1が「不満」という回答にも驚かされました。
私は思わず受講者の反応に戸惑い、少し心配になりましたが、講師として今できることは「自分のしあわせを自分で増やそうと意識すること」と、「自分に合った方法で出来ることから実践すること」が必要であると、自分自身の体験を交えながら伝えることに集中しました。
終了後のアンケートでは前向きな声が書かれていて、幸せの伝染効果を味わって少し嬉しくなりました。
<受講者からの感想>
・人とのつながりが幸せをつかむ1つの要素だったので、やはりコミュニケーションは大事だと感じました。
・幸せになるためにも、自分の行動を見直し、心身ともに健康になろうと思いました。
・「収入は不幸の予防となるが、幸福の促進にはならない」は、とてもいい言葉でした。
・ポジティブ心理学で学んだ幸福感アップの方法は、誰にでも実行できるものだと思うので、まずは1日の終わりによかったことを3つ挙げることを実践したいと思います。
・しあわせのメカニズムで運動のことを聞き、毎朝通勤で20分ほど歩いていて、はじめは苦かなと思ったが、実際歩いていると気分が良くなることが多いと気づいた。
・面白かったです。なかなか心理学の話はIT業界だと聞けないので、凄く楽しく聞けました。
・お金があれば幸せなると思っていたが、科学的にお金より友達や運動のほうが効果的と解明されていると知り驚きました。
今回の取り組みから、「自分の行動を見直すキッカケになった」「目標を立てるのに役立った」という言葉を聞くことができて、とても嬉しかったです。
自分なりに工夫した点は、私にとってチャレンジでしたが、38名全員が一つになる「和」の体験と仲間意識をもつアイスブレイクから始めたことです。
入社2ヵ月の研修後、お客様先に勤務し、所属会社に戻るのは月1回の帰社日になるため、帰属意識が薄れやすいことも1つの課題でした。そのため、冒頭で「つながり」に関するアイスブレイクをし、講座の中で「人とのつながり」と「幸せ」へ導線を引くことを心掛けました。
より良くするために今後取り組みたい点は、
・立派な会議室でしたので、身の丈にあった場所での開催
・喉が弱いためマイク使用できる会場または少人数制に変更
・長続きする幸せをもっと伝えられるようになりたい
最後に、社員一人ひとりの幸せのために、これからも心理的・身体的・社会的な側面から情報提供し、ウェルビーイングな組織づくりをしていきたいと考えています。
報告者:新居範子