ジョブクラフティングワークショップを開催しました!!



現在日本では、働き方改革が注目されています。社会的な背景としては、労働人口の減少や長時間労働、少子高齢化、労働生産性の低さなど、様々な要因が取り上げられています。働くということに関して、こうした外部環境の変化に対応できるよう考えていくことは大切なことです。同時に、働くことの意味や意義、そして自分らしさなど内面的かつ個別性のある要素も考慮することも忘れてはならない大事なことと言えるでしょう。

 

働くということは、私たちが社会的な存在として自己像を確立する上で、とても重要な意味を持っています。働くことは、自分の強みに気付く機会となります。働くことは、自分の活躍の場をつくることになります。働くことは、他者との交流を促し、人格的な成長を促します。このように働くということは、自己理解を深めて自己像を確立し、社会性を獲得するために必要なものです。

 

これまでの時代は、「就職」や「雇用」という言葉に表されているように、仕事は他者から提供される受動的な意味合いが大きかったのではないでしょうか。しかし、情報ネットワークと技術進歩が進んだこれからの時代は、意識が大きく変わろうとしています。ICTを活用して、時間や場所の制約を受けずに、どこでも柔軟に働くことができるようになります。副業を許容する動きが広がり、複数の仕事を担い、多様なキャリアを築くことができるようになります。型にはまった働き方でなく、自分なりの働き方が可能になっていきます。働き方改革の真髄は、こうしたところにあると言えるのかもしれません。

 

 

こうした時代の変化の中で、働くことに関して近年注目されている概念があります。それはエール大学のエイミー・レズネスキーらが提唱した「ジョブ・クラフティング」という概念です。レズネスキーらは、ジョブ・クラフティングを次のように説明しています。「個人が職務または仕事に関連する境界に加える物理的および認知的変化」(2001)。ジョブ・クラフティングにおいて特徴的なのは、次の3つの変化が見られることです。

 

◎仕事の意味づけの変化

◎仕事のタスク内容の変化

◎仕事における人間関係の変化

 

私たち一人ひとりが、“働く”ということに能動的に向き合い上記の3つの変化が起きると、その人の内側で自分なりの働き方が創造されていきます。それが表に現れると、単なる労働ではなくやりがいを感じ天職といえるような働き方を生み出すことが可能になるのでしょう。

 

AWEでは、去る7月19日に法政大学大学院政策創造研究科の石山恒貴教授と博士課程の岸田泰則さんを講師としてお招きし、ジョブ・クラフティングのワークショップを開催しました。午前中は、ジョブクラフティングの理論的な部分と具体例についてご講義いただきました。

 

 

午後は、ワールドカフェを用いてジョブクラフテイングの現状と課題と解決策について対話し、そこから派生して興味関心を感じたテーマをオープンスペーステクノロジー形式でメンバーを募集し対話を進めていきました。

 

 

オープンスペーステクノロジーでテーマを募集したところ、参加者から以下の6つのテーマが出され活発な話し合いが行われました。

 

■上司のマインドセット

■子どもの働く意味の見つけ方

■マネジメントのいらない世界

■Life Crafting

■Negative capability

■共感力の見つけ方

 

それぞれのグループの発表を伺いましたが、どれもとても興味深い内容でした。ご参加くださった皆さん、ご協力ありがとうございました。

 

 

人生100年時代と言われ、労働環境が大きく変化すると共に私たちの意識も変えていく必要があります。こうした時代の中で、しあわせな人生を送るための知恵を持つことは、すべての人に共通する課題と言えるでしょう。

 

 

AWEでは、ジョブクラフティングをはじめとして、社会的ウェルビーイングを高めるための情報を提供し、講座を実施していきます。

人々が心理的、身体的、社会的な健やかさを高め、自らの幸せを自ら創りだせる人を増やすこと、これがAWEの使命です。これからも様々な活動を行っていきます。どうぞご期待ください。

 

出典:Wrzesniewski, A. & Dutton,J,E..(2001) “Crafting a Job: Revisioning Employess as Active Crafters of Their Work,” Academy of Management Review,Vol.26,No.2, pp.179-201.

 

文責:渡邊 義