私たちは、誰でも幸せになる力を内側に秘めています。しかし、そのことに気づいて、活かしている人は、どれくらいいるのでしょう?
21世紀の幕開けを迎えようとする1998年、幸せを科学的に研究するポジティブ心理学という新しい取り組みが始まりました。レジリエンスやマインドフルネス、そして最近ではグリットなどが注目されています。近年、このような幸せに関する科学的知見を人生に活かすための具体的な方法が開発され、様々な機関や場所で実施されています。
このような潮流の中、ポジティブ心理学の研究者の一人であるカルフォルニア大学リバーサイド校の心理学部教授ソニア・リュボミアスキーは、持続的幸福感を生み出すための「12の行動習慣」として、以下のものを紹介しています。
1.感謝の気持ちを表す
2.楽観的になる
3.考えすぎない、他人と比較しない
4.親切にする
5.人間関係を育てる
6.ストレスや悩みの対抗策を練る
7.人を許す
8,熱中できる活動を増やす
9.人生の喜びを深く味わう
10.目標達成に全力を尽くす
11.内面的なもの大切にする
12.身体を大切にする
これらはどれもが特別なことではなく、誰もが取り組むことが可能な行動です。しかし世の中には、こうしたことが幸せを生み出すことになることを、知っている人と知らずにいる人がいます。
一人一人が幸せを高める方法を知り、日常生活で実践すれば、幸せな人が増えます。幸せな人が増えれば、社会の幸福度も上がっていくでしょう。ウェルビーイング(しあわせ)な人生とは、そのような人と社会の相互関係の中で実現されていくのではないでしょうか。
私たちは、誰もが幸せになる力を内側に持っています。その力に気づいて意識して実践し、しあわせを自らの力で創り出すよう心掛けたいものです。
引用文献
『幸せがずっと続く12の行動習慣』ソニア・リュボミアスキー著,渡辺誠 監修,金井真弓 翻訳 日本実業出版社
文章:渡邊 義